給与マップは「今いくら稼げるのか」に答えるツールです。同じくらいよく聞かれるのが、「賃金は本当に上がっているのか、それとも物価に追いついているだけなのか」という質問です。これに答えるには、賃金の推移とインフレを1か所で見られる必要があります。そこで作ったのが賃金推移分析です。
このツールでは、2002年以降のポーランドの賃金の変化を、全国、県、郡、産業ごとに確認できます。いずれもポーランド統計局(GUS)の公式データに基づいています。
名目賃金と実質賃金を1つのグラフで
インフレ率が10%のときに10%昇給しても、給与で買えるものは前年とほぼ同じです。そのためメイングラフには2本の線を表示しています。給与明細に載る金額と、選択した基準期間の物価で見たその金額の価値です。実質値は、GUSの消費者物価指数をもとに計算しています。
グラフ上で任意の範囲を選択すると拡大でき、キーボードの矢印キーで1期間ずつ読み取り位置を動かせます。グラフの下には、同じデータを表でも掲載しています。
賃金は本当に上がったのか
別のセクションでは、賃金の変化を物価の変化と比較します。比較方法は前年比、選択した期間からの累積、前月比から選べます。賃金が物価より速く伸びた期間と、実質賃金が下がった期間がひと目でわかります。
その横には簡単な計算機があります。ある期間の金額を入力すると、別の期間の物価でいくらに相当するかがわかります。これは過去の換算であり、特定の賃金の評価ではありません。
利用できるデータ
| データ | 期間 | 範囲 |
|---|---|---|
| 平均賃金(年次データ) | 2002年から2025年 | ポーランド全体、県、380の郡、PKD部門(ポーランドの経済活動分類) |
| 平均賃金(四半期データ) | 2005年第1四半期以降 | 県 |
| 企業部門(月次データ) | 2010年1月以降 | ポーランド全体と県、PKDグループ別(ポーランド全体のみ) |
| 賃金分布調査の中央値と平均 | 2024年1月以降 | ポーランド全体 |
| 職業グループ別賃金 | 隔年、2014年から2024年 | ポーランド全体 |
| 消費者物価指数 | 年次・四半期・月次 | ポーランド全体 |
これらのデータセットは、それぞれ少しずつ異なる被用者グループを対象としています。GUSの地域データバンクの平均は、GUSが毎年発表する平均賃金とは対象となる企業の範囲が異なるため、ポーランド全体の値は発表値と一致しません。企業部門はさらに別の母集団です。これらの系列を1本の線につなぐことはせず、各値には出典を明記しています。
平均か中央値か
GUSは2024年から、賃金分布調査に基づく賃金の中央値を毎月公表しています。中央値は同じ調査の平均と並べて表示しています。公正に比較できるのは、この2つの値だけだからです。
平均と中央値の差が広がっていれば、高い賃金のほうが典型的な賃金より速く伸びています。差が縮まっていれば、賃金どうしが近づいています。その横には、GUSが公表しているポーランド全体の十分位数も表示しています。
地域、産業、職業、変化のペース
- 地域比較:最大5つの地域を、同じ期間で1つのグラフに表示できます。地域間の差がどう変わったかもわかります。
- 産業と職業:PKD部門別と職業グループ別の賃金です。職業調査の各回は個別の点として表示し、その間には何も描き足しません。
- 変化のペース:前年比、年平均成長率、実質賃金が下がった期間を示し、その横に全県の変化のペースを示すマップを表示します。
- 地域ランキング:実質賃金が最も速く伸びた地域と、ポーランド全体の値との差の変化がわかります。
- データ表:選択した系列のすべての値を名目・実質で表示し、それぞれの出典も示します。
知っておきたい制約
- GUSの物価指数は全国共通のため、どの地域の実質値も同じ指数で計算しています。地域による物価の違いは反映されません。
- 郡のデータは年次のみで、全産業合計しかありません。
- 産業はPKD 2007に基づいて表示しています。新しい分類であるPKD 2025によるデータは、過去のデータと比較できない場合があります。
- 月次の変化はボーナスの支給など季節の影響を強く受けるため、それだけでは傾向を示すものではありません。
